まずは折りたたみジョイント部の純正部品を入手して詳細を見てみます
前回の“折りたたみジョイント部の保持力低下”からの続きです。
SAVANEの純正部品を扱っているサイト『SAVA DECK』でジョイントセットを購入しましたが、中国からの空輸となるためどうしても時間が掛かります。
念のため販売代理店にメールをしたらジョイント金具の在庫があるとのこと。
まさか在庫があるとは思ってませんでしたので驚きましたが即購入の意思を返信します。
ちなみにSAVA DECKで販売されている画像を見るとフレーム側にヒンジをロックするツメ等もあるようでしたが、販売代理店から送られてきた画像を見るとヒンジとシャフトだけになります。
ただ実際欲しいのはヒンジ内にセットされているピンですので問題ありませんし、手に入りづらい純正パーツのヒンジやフレーム側シャフトの予備がストックできるので願ったり叶ったりです。
Contenst
SAVANE FDB 純正フレームジョイント金具
ジョイント金具は@2,200円(送料1,100円)で、計3,300円となり、振込確認後の発送ということですぐ対応します。
振り込んだ翌日には到着。
まずはSAVANEの純正ジョイント金具を見てみます。
緩衝材に包まれてました。
ヒンジの中にピンが組み込まれてました。ヒンジ側のシャフト、フロント側フレームのシャフトとセットです。
セット一式のウェイトは122.0g。
ヒンジ部だけで88.0g。そこそこウェイトがあります。
お目当てのピンは12.3gでした。
SAVA DECKで購入したジョイントセット一式が発注後8日で届きました。
国内販売代理店で購入したジョイントセットにフレーム側のロック機構部品が入ってますのでこれら一式予備としてストックしておきます。
ヒンジ部のディテール
ヒンジはアルミのダイカストだと思われますが結構しっかりした造りになってます。
ヒンジのアーム部は肉厚が5〜6mmあります。
外側から見える部分はバフ掛けされてピカピカツルツルです。
SAVANE FDB ヒンジのフレーム側取付け方法
今回ヒンジ部は交換しませんが、念のため備忘録としてヒンジの交換方法を記しておこうと思います。
セットの中にはシャフトが2本、前側フレームのヒンジにあるピンが引っ掛かる部分は太いパイプ状のシャフトが付いてます。
全塗装する時に一度分解したのですが写真を撮り忘れてしまったのでイメージで再現します。
折りたたみ部を展開するとフレームの断面が見えます。まずは赤丸の埋め込まれている六角穴付き全ネジを外します。ちなみに黄丸はフレーム側のヒンジ部のピンを抜く際に緩めます。(全塗装時はすべて外しました)
赤の点線が折りたたみ保持関連のシャフトが入っているイメージです。
フレーム断面の埋め込みボルトを抜き切るとフレーム下側の赤丸部にアクセスできます。
その中にあるピンは刺さっているだけなのでスルリと抜ければヒンジのシャフト、前フレームのシャフト共に取り外せます。
加工法が違う!? 問題だったピンのディテール
ヒンジに組み込まれていたステンレス製のピンを抜きます。この時点ですぐ気が付きました。
2021年10月に購入したSAVANE FDB169Sの純正部品と加工法が違います。
左が今まで使っていた古いピン、右が今回の新品の純正ピンで共にボルト部がM6(ピッチ1mm)でピンの頭はφ8mmです。
左側の古いピンはφ8mmの頭に6mmの穴を空けてボルトを差し込んで横から2.5mmのピンを刺してます。
新しいピンはボルト側を2面削って頭の切り欠きに入れ込んで2mmのピンで刺してます。なおSAVA DECKで購入したジョイントセットも販売代理店から送られてきたピンと同じ形状でした。
仕様的にどちらが新しいかはわかりません。
頭とボルト部の強度的な問題からでしょうか。いずれにしても加工法が変わってます。
今回の状況をしっかり把握する
たまの週末に散歩がてら平地を走る程度であればそこまで問題にはなってなかったかもしれませんし、多分メーカーもそのくらいの運用方法で考えていると思います。
私の場合、20インチ406化・ベルトドライブ化・内装変速11速化のフルカスタムした上に日々一部区間を30km/h超の速度で通勤から100km超ライド、下り坂の最高速〇0km/h超など、想定を超える負荷を掛け続けてきました。
その上でさらに長く乗っていくためにはどうしたらいいかを考える上で今回の状況をしっかり把握して対策していきたいと思います。
フレームジョイント部分の保持力を維持するためにヒンジ内のピンの出代で調整します。
出代を調整するためにピンのボルトのネジ部が重要になるのですが、回り止めボルトで肝心のピンにあるボルトのネジ山を潰してしまいます。
負荷が高くなればなるほど振動が増え、回り止めネジが緩みフレームの保持力が下がるから出代を調整→回り止めボルトで締める→さらにピンのネジ山が潰れることになります。
調整を繰り返した結果としてピンのボルト部のネジ山が全周潰れ、ヒンジへの固定が固定ボルトの締め付けトルクだけに頼るカタチとなり、ジョイント部の保持力が不安定になったということです。
幸い構造的にピンには常時圧縮力が掛かっているので最低の出代が出てさえいれば今のところガタつきはしますがヒンジが外れるということはありません。
でもそう長くない先に完全に保持力を維持できなくなってしまうと想定されます。
長く安心して乗るための方法
要するに問題はジョイント部の保持力を維持するためのピンの回り止めを、ネジ山を潰してしまう固定ボルト(止めネジ)に頼らなければいいということになります。
ピンのネジ山が生きていればピンの頭が削れ切るまで調整できます。
そこで次回はこれまで全塗装以外手を触れてこなかったフレーム側、ヒンジ内ピンの固定方法を変えることができるか模索します。