自転車の機能で最も人の命に関わる制動装置を考えてみます
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走る・曲がる・止まる
自動車やオートバイの基本性能としてよく使われるワードです。
その物の使い方や目的で考え方はそれぞれあると思いますが、このワードは自転車にも当てはまるものだと思います。
そして個人的に自転車の機能として『止まる』というのは非常に重要なワードだと考えます。
制動装置がしっかり機能しないと、止まらずにケガをしたり、人にぶつかって傷つけてしまったり、最悪命に関わることだってあります。
だからこそ、自分と他者を傷つけることがないように特に制動装置であるブレーキに関しては妥協してはいけないのではないかと考えます。
SAVANE FDB169Sは純正で油圧式ディスクブレーキです。
初心者ながら備忘録として少し整理します。
ディスクキャリパーのマウント方法
ディスクブレーキは車輪に直結して回転するディスクローター(円盤)をキャリパーで挟み込み、その摩擦によって車輪の回転を緩める(止める)機能です。
ディスクローターは車輪に直結しており、ディスクキャリパーはフレームにボルトなどで固定されてます。
ディスクキャリパーのフレームへの取付方を『マウント方式』といいます。
一般的なディスクブレーキの自転車で、このマウント方式は3つあります。
- ポストマウント(PM): 現在MTBで主流の規格で、SAVANE FDB169Sはこの方式
- フラットマウント(FM): シマノ提唱の新しい規格で現在ディスクロードの主流
- インターナショナルスタンダード(IS): 最古の統一的規格だが現在はほとんど見られない
フレーム側、ディスクキャリパー側共にマウント方法を合わせる必要があります。
ただPMディスクキャリパーにアダプターを付けてFMフレームに装着できますが、FMディスクキャリパーをPMフレームへは装着できないようです。
PM、FMディスクキャリパー共にアダプターを付けてISフレームに装着できるようです。
ブレーキの接続方式
ブレーキレバーとブレーキキャリパーを繋ぐ方法は2つあります。
- 機械式: ワイヤーで繋ぐ仕組みで低コストだがワイヤー伸びや引きが重くなるデメリットあり
- 油圧式: ホースで繋ぎフルード(油)の圧で動作する仕組みで性能が安定しているがフルードの管理やウェイト増のデメリットあり
ディスクローターサイズ
ディスクローターのサイズは6種類で、ローターのサイズが大きいほど制動力は高くなります。
- 140mm: マイルドな制動力で軽量 SAVANE FDB169S純正サイズ
- 160mm: ロードバイク標準サイズ
- 170mm
- 180mm
- 200mm
- 203mm
市販ロードバイク標準160mmを140mmへダウンサイジングして軽量化を図る人、結構いるようです。
後で沼にハマることになるのですがポストマウント規格の最小ディスク径は160mmです。SAVANE FDB169Sのポストマウントでディスク径140mmは独自規格ということになります。
SHIMANOのコンポーネントで考える
SAVANE FDB169Sの油圧ディスクブレーキ換装を考えた場合、同じく油圧ディスクブレーキを前提にしてもポストマウントを選択しないといけません。(最終型ではフォーク換装によってフラットマウント化しました)
そうなると現在Shimanoのロードバイク系コンポーネントはほぼフラットマウントになるため、MTB系コンポーネントから選択する以外ありません。
価格から見ると概ね上位5グループは以下になるのではないでしょうか。
過酷なMTBレースで性能を発揮するコンポーネントですので街乗り仕様にはもったいない代物で宝の持ち腐れだと思いますが、フォールディングバイクだからこそ軽量で、街乗りだからこそ少ない力で制動力を発揮するのであれば妥協したくありません。
そこでブレーキキャリパー、レバー一式はXTR M-9100シリーズで進めようと考えます。
ディスクはFハブがDEORE XT HB-M8000の推奨ディスクSM-RT81になりますがまだ最終的に決めてません。
Fハブとディスクを決めきれない迷いの原因はカーボンリムから手組みしてもらうのでホイールセットとして組み込まれてしまいます。Fハブが変わると付けることができるディスクが異なる場合もあります。Fハブは後で交換が難しい部品のひとつになるのでまだ時間がありますしよく調べて最終的に決めようと思います。
軽量なことをメインに考えるとSAINE M820シリーズも魅力ではありますが4ポッドまで必要性がなく、ゴールドのワンポイントが派手すぎてしまうため除外しました。
しかし最終的にはウェイトの観点から全然違うメーカーをチョイスしました。
自転車用ABSを探してたら見付けた『OUTBRAKER ABS』
その昔、SUZUKI WOLF250を自ら改造して乗っていた頃に1990年式 RGV250γの倒立フォークを移植してフロントダブルディスク化しました。純正の大径シングルディスクと比較して一番の違いは熱ダレによる効きの悪化が緩やかなことでした。ただ同時に換装したVFR750R(RC30)のブレーキマスターシリンダーの性能も高く、相当な制動力アップに繋がりました。
それもあってか自分の未熟さ故の結果、事故ります。
普段の街乗りやワインディングを少し攻めている時の制動力は当時申し分なかったのですが、いざというときのパニックブレーキでフロントロック、同時にフロントからスリップして自爆しました。
幸い山の中でしたので誰も巻き込むことなく、自身の左第六〜九肋骨4本の骨折と複数のひどい擦過傷で済みましたがWOLFはアルミフレーム補強箇所横から割れてしまい、パーツ取りできる物がないくらいの大破で廃車となりました。
あの怖さは30年近く経った今でも忘れません。
そしてこれは自転車でも起こりえるものでしょう。
先だってDAHON K3に乗っている知り合いが視界不良の夜道で前輪が障害物に阻まれて車体ごと前転→顔面着地という事故がありました。特に軽量で車輪の小さなミニベロはこういう事故が起こりえます。
ブレーキシステムをグレードアップするのは悪いことではありません。ただ街乗りである以上急な出来事は必ず訪れます。ですからパニックブレーキの可能性は高くなります。
パニックブレーキによる前輪ロックからの転倒は防ぎたい。
そうやっていろいろ探してたらやっぱりあるんですね。
自転車の油圧ディスクブレーキに後付けできるABS『OUTBRAKER ABS』。
油圧をバルブでコントロールするような仕組みのようです。
EバイクでテストしているYouTubeはこちらです。
市場に出ているすべての油圧ディスクブレーキと互換性があると唱っており、MTB用はブレーキレバーかキャリパーに、ロード用はキャリパーに取り付けるタイプですし、25gと軽量です。
ハンドル周りはただでさえ窮屈なのでMTB用キャリパータイプがいいかなと思うのですが、レバータイプは効き具合を手許で調整できるのも大きな魅力です。
ハンドルバーとブレーキレバーが届いて実物を確認してから決めたいと思います。
価格はRoad用、MTB用共に149,00€です。
だいたい1.00€ =130円少しなので19,000円超えるくらいになります。
キャリパーより高い金額ですが、試してみたいので購入します。
またこのOUTBRAKERには1つのブレーキレバーで前後2つのブレーキを作動させることができるパーツもあります。
とにかく気になったら探してみるものですね。
本体の詳細は以下です。