SAVANE FDBはコンパクトに折りたためる便利な機構がアダとなるその原因と対応策を考えます
昨年12月佐賀県唐津市までのポタリングで電車輪行して以来、出張やら制作が立て込んで通勤だけしか走れていない今日この頃です。
その唐津までの輪行で帰ってきてから今日まで折りたたみ自転車という特殊なフレームにいろいろ模索しながら工夫した点があって個人的にうまくいったのではないかという事例を紹介します。
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カーボンフレームといえどすべてがカーボンではない
ロードやクロスバイク、ママチャリなどと違ってコンパクトに折りたたむための『折りたたみ機構』をどこかしらに有しているのが折りたたみ自転車の特徴です。
また折りたたみ機構も様々ありますが、フレームの中程にあるヒンジを外して折りたたむ『中折れタイプ』はDAHONやTernなど多くの折りたたみ自転車に採用されています。
SAVANEは折りたたみ自転車では珍しいカーボンフレームで、この中折れタイプの折りたたみ機構です。
当たり前といえば当たり前ですがカーボンフレームだからといってすべてがカーボンでできているワケではなく、フレームを指で弾くとヘッド部やアーム部のカーボンでできているところは軽い音を発し、応力が掛かる赤丸部(折りたたみ接合部周り・BB周り・エンド周り)は明らかに金属特有の重く鈍い音を発します。
この中折れタイプの折りたたみ機構はヒンジ部周りに大きな応力が掛かります。
だんだん走行が不安定になる原因
RCTは走る距離が長くなるにつれ走行が不安定になります。同じSAVANE(その方は純正20インチ)を乗っている方も同じ症状になるようですが、原因はヒンジ部の緩みです。
走行中の振動が原因でヒンジ内にあるネジ山が見える部分が緩んできて前後のフレーム同士を引っ張る力が弱くなり、酷くなると接続部に隙間が空いてフレームがガタつくほどになります。
写真で見える六角穴付きボルトはネジ山が見えるボルトの緩み止めの役目を果たしてますが走行中の振動でこれが緩み、引っ張る役目のボルトが緩んできます。
前から見えるこのボルトの出し引きで引っ張る強さが決まり、このボルト横に見える前フレーム側にある金属の棒に引っ掛かって固定する仕組みです。自身の体重と走行中の応力を受けて支えるのでこのフレームのキモといっても過言ではありません。
フレームのヒンジ部にガタつきが出始めるとこのボルトを締め直して再度緩み止めのネジで固定する繰り返しです。
例えアルミでできているからとはいえ走行中の応力を一番受ける箇所です。
走行距離3,500kmを超えたフレームの折りたたみ部
実物を見てみます。
見ての通りアルミとはいえ応力を受けている物理的に接触している箇所が摩耗してアルミの地が見えてきました。ここはもともとブラックで塗装されてましたが粉状になって剥げていきました。
極端なイメージですがこのまま応力を支えている部分の摩耗が続けば隙間が生じてガタつきが起こり、修復ができなくなります。
緩むから締めるを繰り返し、応力を受けて支え続けた結果ですがこれは中折れタイプの宿命といえるでしょう。
このままではこの赤枠内が摩耗していくばかり。何か解決策がないものだろうかとアレコレ調べて考えていました。
締め付ける方向から緩める方向へ転換
赤枠内だけが摩耗していることからここを保護すればいいと考えます。
ヒンジで密着して保持されるので薄手のものがいいだろうと赤枠の摩耗している箇所にだけガムテープや養生テープ、厚手のシーリングテープなどいろいろ試しましたが長持ちしない上に走行距離が伸びるにつれ断続的に掛かる圧力で徐々に外側へ弾き出されてしまいます。
樹脂系のコーキング材も考えましたがメンテナンス性を考えると躊躇します。
そうした中でいろいろ試した結果、今のところ100km走行しても問題なく保護してくれるものを見付けました。
厚さ1mmということでヒンジが締まるか、保持されるかが心配でした。ただ今まで分割されたフレームをヒンジの力で密着力を強める方向に締めていたのですが潔く緩めました。
ヒンジのボルトを緩めたおかげでヒンジが外しやすくなったことは輪行がラクになります。
またこのゴムシート、割りと粘着力が強いので接着面の脱脂をすることでしっかり貼れます。また折りたたみ部を締め込む時にズレません。
そしてうれしい副産物として、今までリジットで振動が直接身体に伝わる固い乗り心地だったRCTがこのゴムシートの恩恵でかなり振動が少なくマイルドになりました。サドルをTIOGAのアンダーカバーストレイタムに変更しただけでも相当マイルドになったので初期仕様とはまったく別物の乗り味といっていいでしょう。
手の掛かる自転車ですが、ひとまずフレームの折りたたみ機構周りの懸念は対策を施して様子見ということにします。
そして辿り着いた最適な緩衝材
杉田エースの天然ゴム板、最初はよかったんですが150km過ぎた辺りから常時圧が掛かることによって天然ゴムの変形の限界を迎えるとだんだん端から千切れてきてしまいました。
予備があるので貼り替えればいいのですが、それでは根本的な解決になりません。
そうして試行錯誤していろいろ試した結果、辿り着いたアイテムを見付けました。
厚さ1mmですが、杉田エースの天然ゴム板と違いどちらかというとプラ板を柔らかくした感じです。
片面は粘着材が付いており、普通にハサミで切れます。
天然ゴム板のように圧縮しても変形しませんから千切れるようなことがなくなりました。
ジョイント部のピンを換装後
結果としてジョイント周りのガタつきを解消するためにヒンジ周りを純正パーツを入手後、換装しました。
保持力が元に戻ったことでコレまで使っていた1mm厚の耐震シートから薄い150μmの防傷シートへと変更しました。
当面ヒンジ部の保持力が保っている間はこれでいいと思います。
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