すべてにメリット・デメリットはありますが特に街乗り主体の折りたたみ自転車だからこその恩恵があります
さて今年も残すところ明日だけというタイミングになりました。
今年は折りたたみ自転車カスタムにはじまって春先に完成後はいろいろな景色を見たり、そして多くの方と出会うことができました。
本当に趣味として自転車を選んでよかったと思う1年でした。
私の性格的に計画を練って自ら定めた期限通り着実に進めることが楽しかったりします。
来年の計画はすでに練っているので楽しみながら着実に進めていきたいと思います。
さて今回は自分で組んで乗ってみたベルトドライブと内装変速機のメリットとデメリットをまとめてみます。
ベルトドライブ化・内装変速化カスタムの経緯
コンセプトを決めていく課程でベースとなる車体を探している中で見付けたDAHON Mu Rohloff。
すでに発売されておりませんが当時60万円以上した高級車です。
メンテナンスの手間が少なく、またディレイラーがないことでシンプルな見た目に惹かれたのが今回のカスタムに至った大きな経緯です。
ですから今回のカスタムの一番のポイントは『ベルトドライブ化』に絞って進めました。
ベルトドライブでの多段化は内装変速機しか選択肢がありませんので技術的なハードルがそこまで高くなく、性能と価格のバランスがよいアルフィーネをチョイスしました。
SAVANE FDB169Sのリアセンター(BBセンターから後輪車軸センターまでの寸法)が370mmと、Gates Carbon Driveでスプロケットとベルトの組み合わせがありましたので完成しました。
もし組み合わせがなかったらVeer Split Belt Proという選択肢もありましたが、F72T-R30Tと最大スプロケット比が2.4でしたので初期型(スプロケット比2.29)の感覚のままの運用になっていたことでしょう。
そもそもリアがトラス状で継ぎ目のないフレームだったら、フレームを一度切るかVEER Split Beltを選択する他ありませんでした。
ただ今回ベルトドライブ化を視野に入れてチェーンステーがないスイングアーム状のフレームを購入しましたので完全な輪っかのベルトをインストールできました。
スプロケット比の選択肢が広いGates Carbon Driveにしてよかったと思います。(VEERのスプロケット比の選択肢が多ければ違ったアプローチをしていたかもしれません)
ベルトドライブのメリット
- 軽量
- 錆ない・伸びない・切れない・外れない
- 注油の必要がない(メンテナンス頻度が少ない)
- 汚れが少ない(土埃など)
- 静粛性
- スッキリした見た目(ディレイラーやチェーンテンショナーが不要)
金属のチェーンでないことで大きな恩恵があります。
またメンテナンス時だけでなく折りたたみ自転車ですから輪行などで折りたたんだ際も油汚れなど手間が掛からないのは大きなメリットです。(ただし長期間クリーニングしてないと汚れます)
輪行を目論む折りたたみ自転車乗りにはなおさらオススメできます。
ベルトは樹脂とカーボン繊維でできていますので非金属です。チェーンのような金属の擦れるような音がしないので走行中はほぼ無音です。
あくまでご自身の自転車をベルトドライブ化カスタムしたいということ前提で、乱暴な言い方ではありますがGates Carbon Driveであれば『リアセンター(BBセンターから後輪車軸センターまでの寸法)』と『求めるギア比』の組み合わせでベルトが合致ずれば(自己責任で)街乗り・舗装路走行限定ですがインストールは可能です。
ベルトドライブのデメリット
- 導入時に高コスト(普及型の安価なチェーンと比較して)
- 多段化には内装変速機しか選択肢がない
- 故にさらに高コストになる(内装変速機+ホイール組み替え含む)
- ペダル漕ぎ出しがダイレクト感に欠ける
例えばShimano DURA-ACEのチェーンで5,000円弱としてGates Carbon DriveのベルトはAliexpressで1万円弱とほぼ倍になります。ただベルトは耐用年数が長いので長い目で見ると安くなりますが導入時のコストは掛かります。
ベルトドライブで多段化する場合は決して安くはない内装変速機を導入(ホイール組み替え含む)しないといけないので結局のところどうしてもコストのハードルが生まれます。
そのハードルさえクリアできればご自身のメンテナンスツール、技術的スキル、自転車の規格知識、もしくは懇意のサイクルショップがあれば初心者の私でもできたのでそこまで難しいことではありません。
あくまでカスタムでベルトドライブ化、内装変速化した場合のことで、純正がベルトドライブ・内装変速の場合はこの限りではありません。
これはデメリットというよりも『好き嫌い』に近いのかもしれませんが、ペダルの漕ぎ出しがチェーンのようなダイレクトな感覚とは異なり、柔らかく感じます。走ってしまえばそこまで感じません。
内装変速機のメリット
- メンテナンス頻度が少ない
- 停車時に変速できる
- 高い耐久性
- 静粛性
- シンプルな見た目
外装変速のようにむき出しになったチェーンやギアへ定期的に注油する必要がありませんのでメンテナンス頻度は格段に低くなります。ただメンテナンスフリーというワケにもいかずまずは使用開始から1,000km、その後頻繁に乗る場合は2,000km毎を目安にギアオイル交換が推奨されてます。
地味に便利なのが停車時の変速です。
11段で停車しても止まってる状態で1段まで変速できます。ただ完全に停止した状態の場合、漕ぎ出し時に変速されているワケではなく漕ぎ出しの一瞬11段ですがすぐ1段に変わります。もし指定のギアで発進したい場合は停車時にペダルを少し踏んで回せば切り替わるので外装変速のようなモタつきはありません。
外装変速のようにギアがむき出しではなくカップに封入されているため、水やホコリにさらされるような環境の影響を受けづらいので錆やゴミなどが付着しませんから耐久性は高いと思います。
外装変速の場合、後輪が回ってる状態でペダルが止まってると『ラチェット音』がしますが、これはアルフィーネの特徴でラチェット機構がないのでペダルを回しても回してなくても音は鳴りません。(ペダルを逆回転すると音はします)
ベルトドライブも金属ではないので音がしませんからタイヤのロードノイズが低ければほぼ無音の走行になります。
多段ギアやディレイラーなどがありませんのでシンプルな見た目です。
内装変速機のデメリット
- 重い
- 高コスト
- 高い回転抵抗
- 低い入手性
- 後輪の着脱性
アルフィーネ本体と小物セット合わせて1.8kg弱になります。SAVANE FDB169Sのカーボンフレーム1.4kg弱より重いです。
一式揃えないといけませんので導入時はホイール組み含めまとまったコストが掛かりますがアルフィーネの場合、考えようによっては11速と考えると外装の場合はShimano 105〜ULTEGRA(旧型)くらいの価格帯だと思いますので不当な割高感はありません。
これがRohloffだとハブ単体で20万円近くするので話しは変わってきます。
カップ内で複数の歯車が常に噛み合っている構造上、機械的抵抗は高くなります。また特に小径車の場合はジャイロ効果が低いので速度維持にはさらに悪影響となります。
内装変速機はどうしても国内で広く普及しるワケではありませんので在庫も潤沢にはありません。結果としてメーカー取り寄せになることが多く、生産状況によっては数ヶ月待ちということもあります。
スポーツ自転車やロードバイクは前後クイックリリースで簡単に車輪の着脱ができるものも多いですが内装変速機の多くは車軸をナットで固定する構造になってます。アルフィーネは15mm袋ナットなのでサドルバッグにスパナを常備してます。
まとめ
世界に1台だけ。自分だけの自転車。
私は今回のカスタム、自分の考えたコンセプトに沿った形を作ることができたと思いますしとても満足しています。
外装変速、内装変速それぞれメリットとデメリットはあります。
今回、私の場合は輪行も大きな目的のひとつとしてベルトドライブのメリットである注油の必要がない、油汚れがない部分がとても魅力だったのでカスタムしてみました。
ただもしGates Carbon Driveでベルトドライブ、アルフィーネで内装変速カスタムを考える場合はスプロケット比の関係上最低でもタイヤサイズが18インチ以上ないと相当なローギア(速度が出ない)な自転車になりますのでご注意ください。
人それぞれいろんな考え方はあると思いますが、それぞれ用途と好みがあると思いますので一例として参考のためまとめてみました。