ベルトドライブ・内装変速カスタム <br>タイヤ周長とペダル1回転の移動距離・時速計算

ベルトドライブ・内装変速カスタム
タイヤ周長とペダル1回転の移動距離・時速計算

本カスタムの種明かし第2弾と計画当初に使った計算表[改訂版]を公開

ベルトドライブ・内装変速カスタム <br>総まとめ
[固定ポスト]各々カスタムする上で知っておくべき内容をコンパクトにまとめてみます
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この記事の内容を汎用的にまとめたものが上記にあります。


現在新幹線で移動中なので内装変速&ベルトドライブ化カスタムをする上で調べた内容です。

※これ以降の内容は個人が実装時に経験した内容ですので性能や実走・装着の可否を保証するものではありませんので参考程度にご覧ください。また誤りがある可能性もありますので参考にする場合はすべての内容において自己責任でお願いします。

なおこのポストは関連して3つありますので参考にする場合はお読みください。

ベルトドライブ化 & 内装変速化手順 <br>Gates Carbon Drive & Shimano ALFINE[前編]
ベルトドライブ化に伴い内装変速化する個人的な備忘録として
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ベルトドライブ化 & 内装変速化手順 <br>Gates Carbon Drive & Shimano ALFINE[後編]
前編で導き出した結果からパーツを仕入れていきます
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ストレートドロップエンドのベルトドライブ化 <br>[このカスタムの裏テーマ]
あえてベルトにテンションを掛ける機構がないストレートドロップエンドでベルトドライブ化をやった経緯、ミスしたところも公開
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ベンチマークとなる車体を設定

何度も言うように私は自転車のカスタムは初心者ですので、考えもなくチャレンジするわけにもいきません。そのためにベンチマーク(指標・基準)になりそうな車体を探します。

Mit dem VELLO Alfine Faltrad mit Nabenschaltung und Riemenantrieb gleitest du el…
en.vello.bike

さすがに小径折りたたみ自転車でALFINE & Gates Carbon Drive、となるとそもそも完成車として国内で市販されておりませんしベンチマークになりそうなのもありますが、初心者の私は性能的にピンとこないのでシティサイクル系(URBAN)でALFINE & Gates Carbon Driveの完成車を探します。

検索で調べればわかりますが、現時点では5メーカーあると思います。

CANONDALEやBMCは初心者の私でも耳にしたことがあるメーカーですが、これらの完成車が国内で正規に買えるかどうかまではわかりません。

概ね8Speedが多く、CANYON、cube、FABIKEは11Speedもあります。

この中でスペックの数値がしっかり記載されている完成車を選びました。

BMC – AlpenChallenge 01 ONE

これぞURBANという雰囲気でマットブラックのスローピングフレームが美しいです。

あくまでこれでペダル1回転の移動距離や各ギアでどれくらいの速度が出るのかを参考にしつつ、とはいえこの当時一番懸念されていたスイングアームとベルトの接触を恐れて安全パイを選んだ後に最適なスプロケット比へ変更するという遠回りをしたワケです。

最終的にはまったくいらぬ心配だったワケですが・・・(=_=)

スプロケット比とペダル1回転移動距離計算

さすがに手計算を繰り返すのも面倒なのでエクセルで簡単な表を作りました。

当初は4列ある一番左のAlpenChallengeと左側2番目の55T-24Tの組み合わせでしたが、計測ミスや最適なスプロケット比を求めて右側2列を追加しました。

なおAlpenChallengeはF55T-R24T、700×28Cで純正8Speedです。

スプロケット比とペダル1回転移動距離計算表

以下ALFINE 11&8用に作ったエクセルファイルです。

  • Fスプロケット歯数
  • Rスプロケット歯数
  • タイヤ周長
  • ケイデンス

上記4項目(薄青色)に数値を入力いただければ自動で計算します。

そして基本街乗りで穏やかに漕ぐことを念頭にケイデンス50rpmとしています。

計算の結果、AlpenChallenge(F55T-R24T、700×28C)の場合は以下になります。

  • 8段時ペダル1回転: 7,903mm
  • ケイデンス50rpm: 23.7km/h

これをベンチマークにします。

一方RCT-2011s ALFINEはF55T-R24T(スプロケット比2.29)の場合は以下になります。

  • 11段時ペダル1回転: 7,345mm(-588mm)
  • ケイデンス50rpm: 22.0km/h(-1.7km/h)

大きな差はないので問題ないと考えましたし、実際街乗りでは軽快で実走上の問題はありませんでした。

しかしスタート時6段、巡航11段で私の貧相な脚力でもまだ上が回せます。せっかく装着できたALFINE 11が勿体ないというのが実感でしたので計測ミスでベルトにテンションが掛かってないという非推奨の運用を見直すついでにF63T-R22T(2.29)に変更した結果、スタート4段が同じくらいの感覚です。

ストレートドロップエンドのベルトドライブ化 <br>[このカスタムの裏テーマ]
あえてベルトにテンションを掛ける機構がないストレートドロップエンドでベルトドライブ化をやった経緯、ミスしたところも公開
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比率で見るとわかりませんが、ペダル1回転での距離で見ます。

  • AlpenChallenge 01: 55T-24T 3段スタート 3,652mm
  • RCT-2011s ALFINE: 55T-24T 6段スタート 3,859mm(+207mm)
  • RCT-2011s ALFINE: 63T-22T 4段スタート 3,739mm(+87mm)

感覚は曖昧だといいますが、RCTが当初6段スタートからスプロケット比変更で4段スタートと同じくらいだと感じたのは大きく間違ってはいなかったということになります。

GARMIN CONNECT上の計測データでは63T-22Tで80rpm時43.6km/hでした。計算上では44.1km/hですので大きく間違ってはいません。

最大スプロケット比で見てみる

最大スプロケット比である70T-22Tの場合を見てみます。

  • RCT-2011s ALFINE: 70T-22T 3段スタート 3,650m(-2mm)

ということで現状の63T-22Tの4段スタートの1段下3段スタートということでALFINE & Gates Carbon Driveの最高スプロケット比70T-22T(3.18)でも十分イケるのでは?という数値に見えます。

ただ貧弱な脚力ですから立ち漕ぎを多用できないカーボンフレーム折りたたみ自転車ですと確実に8%以上の勾配は辛くなります。

なお個人的な過去最大勾配が北谷ダムの11%、55T-24Tの1段立ち漕ぎなしでギリギリ登れた感じですのでがんばって9%が限界かなと思います。

想定以上に過酷だった <br>ゆるポタ[薬院〜太宰府市・北谷ダム]
気軽に行ってみたら自転車に不向きなルートで過去最大の勾配でした
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もう少し見てみます。

AlpenChallengeは純正ALFINE 8ですが700×28C(タイヤ周長2,136mm)で55T-24T、ALFINE 11を装着した場合を比較すると20インチ(28×406 – タイヤ周長1,490mm)であれば70T-22Tがほぼ同じ数値になることがわかりました。

そこまで必要かどうか、それぞれ日常の運用方法で変わると思いますが交換作業の手間がそこまで掛かりませんので例えば街乗りや通勤時は70T-22Tで、ゆるポタなどのロングライド時はFスプロケットとベルトを交換して63T-22Tでという運用もあるかなと思います。

[番外編]Rohloffの場合はどうなるか

ここでもう少し踏み込んで比較してみようと思います。

Rohloff SPEEDHUB 500/14

内装変速機で14SpeedのRohloffとALFINE 11、Gates Carbon Driveを使ってベルトドライブ化した場合を前提として比べてみます。

Rohloff SPEEDHUB 500/14はトータルギア比526%(ALFINE 11は409%)という化け物のような内装変速機ですが、実際はどうなんでしょうか。

RohloffとALFINEの比較

Rohloff SPEEDHUB 500/14のギア比を見てみると1段で0.279、14段で1.467と驚くほどローギアで、相当クロス(各ギア比が近い)しているのがわかります。

  • ①: Gates Carbon DriveでALFINE最大スプロケット比F70T-R22T
  • ②: Gates Carbon DriveでRohloff SPEEDHUB 500/14最大のスプロケット比F70T-R19T
  • ③: AlpenChallengeにRohloff SPEEDHUB 500/14最大のスプロケット比F70T-R19T

あくまで20インチ28-406の場合ですが②の14段を見るとわかるとおり、最大スプロケット比を用いてもペダル1回転の移動距離が8,046mm、時速24.1km/hしか出ません。

対して①では11段時のペダル1回転の移動距離が10,206mm(+2,160mm)、時速30.6km/h(+6.5km/h)です。

なお③の700×28Cで見るとローからハイまで満遍なく対応してます。

このことからわかるようにRohloff SPEEDHUB 500/14を使ってGates Carbon Driveのベルトドライブ化をすると小径車で見た場合は登坂力は相当高いことになる代わりに速度は出ません。

RohloffでGates Carbon Driveのベルトドライブ化を考えると、やはり大径車で登坂力が必要なMTBに最適と考えてよいかもしれません。

birdy Rohloff

国内で市販されているRohloff装着の小径車といえばbirdy Rohloff。

ちなみに純正でF52T-R13T(スプロケット比4.0・チェーン駆動)、タイヤが18×1.50(40-355)ですから周長1,340mmとなります。

birdy Rohloffとの比較
birdy RohloffRCT 63T-22TRCT 70T-22T
ギアレシオ換算1.11〜5.861.5〜6.161.67〜6.85
ペダル1回転移動距離(mm)1,487〜7,8522,235〜9,1782,488〜10,206
時速(ケイデンス50rpm時・km/h)4.5〜23.66.7〜27.57.5〜30.6

birdy Rohloffのタイヤ周長が実測値ではなく、誤差があると思いますので参考までの数値です。

それにしても18インチで20インチ28-406のRCT 63T-22Tより全体的にローギアになりますがそこまで差がないので街乗りでは十分運用できる数値になりますのでやっぱりスゴいと思います。

例えばFスプロケットだけを70T(スプロケット比5.38)に換装すると・・・

  • ギアレシオ換算: 1.5〜7.89
  • ペダル1回転移動距離: 2,010〜10,572mm
  • 時速: 6.0〜31.7km/h

ローはRCT 63T-22Tと同じで平坦な街中では十分な上、ハイはRCT 70T-22Tを超えてきます。恐るべしRohloff。

11Sのデメリットを相殺するALFINE 11のシフター

ALFINEは11Speedと8Speedがあります。

11Sもいらないという方もいると思いますし、確かにギア比を見ると街乗りメインだと8Sでも十分な気がします。

11S、8Sそれぞれのギア比を見ると8Sの8段が1.615、11Sですと9段(1.667)くらいです。

11S、8Sいずれも1〜5段までのギア比が近く(クロスレシオ)なっていて、ギアごとの重さの差が少なく変速時のショックも小さい上、加速がスムーズになります。

多段数のデメリットで考えるとギア比の差が少ないので勾配差が多いとシフトチェンジが増えますし、一気に加速したい時は連続してシフトアップすることになります。

ただALFINE 11Sの純正ラピッドファイヤーシフターであるSL-S700(11S用)はマルチリリースですのでレバーの作動量によって通常の作動量で1段、大きく握ると2段一気にシフトアップ・ダウンする機能が付いてます。(8S用 SL-S7000-8はマルチリリース機能なし)

SHIMANO SL-S700
Shimano SL-S700

慣れればワイドレシオのような大きなギア比でのシフトチェンジも可能となりますし、個人的にはロングライドでこの機能は本当に便利だと思いました。

11S、8Sで大きな違いは5つでしょう。

  • 当たり前ですがギア比が違います(11S-408.5%, 8S-306.4%)
  • カタログスペックのウェイトはほぼ同じ(11Sが相対的に軽量で実際5gほど軽い)
  • メンテナンスコスト(11Sは50mlオイル交換・8Sはバラしてオイルドブ漬け)
  • 純正シフターの機能(11S用マルチ・ツーウェイ・インスタントリリース対応、8S用ツーウェイリリースのみ)
  • 本体価格がほぼ倍

やはり価格が一番のネックでしょうか。

私の場合は性能とウェイト、そして何よりメンテナンスコストを考えた結果、11Sにしました。


本格的な夏になると自転車にはなかなか乗らないと思うので、秋が来るまでにいろいろトライできたらと思います。