ベルトドライブ化に伴い内装変速化する個人的な備忘録として
この記事の内容を汎用的にまとめたものが上記にあります。
自転車初心者の私が無謀にもカーボンフレームのフォールディングバイク(ストレートドロップエンド)にベルトドライブ化+内装変速化していく上で調べた内容を残したいと思います。
初心者ですから複合的に見ていかないといけなかったため結構面倒でした。
なおこのポスト以外に3つに分かれておりますので参考にする場合は3つをしっかりお読みください。
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Shimano ALFINE SG-S7001-11 ディーラーマニュアルを熟読
※これは非電動のALFINEです。電動シフトのDi2は寸法が異なる部分もありますのでご注意ください。
まず事前にALFINE 11 SG-S7001-11のディーラーマニュアルを熟読します。
・Shimano ALFINE – ディーラーマニュアル
まずこの段階でポイントになるのはディーラーマニュアルの7ページ、前後のスプロケット比(Fチェーンリングギア比)です。
Shimanoでは以下のようにスプロケット比を推奨してます。
- 11速: 1.8〜2.0
- 8速: 2.0〜2.25
スプロケット比の算出はFチェーンリング歯数÷リアスプロケット歯数です。(例:フロントチェーンリング50T、リアスプロケット25Tでギア比は2.0)
私は11速なのですが20インチ406であるにもかかわらずフレームのスイングアームとベルトが接触する可能性を避けるため、あえて1.8〜2.0を推奨スプロケット比(このスプロケット比は26〜27インチに最適で小径車では再計算の必要あり)とします。
ただ最終的にはGates Carbon DriveでALFINEを使う場合の最大スプロケット比3.18(F70T-R22T)でもスイングアームとベルトは接触しませんでした。
個人的な感想です。
これはその自転車の『リアセンター(BBセンターから後輪車軸センターまでの寸法)』次第で最適なベルトが取り付けられるかにもよりますがそこは一旦置いておきます。
なおあくまで私の場合はストレートドロップエンドとホローテックⅡのBBでやりましたので、トラックエンドやロードエンド、エキセントリックBBなど調整が効く場合は調整の範囲で選択してください。
Gates Carbon DriveのCDXでベルトドライブ化する場合、クランクが5穴(4穴は別途)であればFスプロケット7種(70T,63T,60T,55T,50T,48T,46T)、Rは3種(26T,24T,22T)ですからスプロケット比の組み合わせは21種となります。最低スプロケット比は1.77(F46T-R26T)、最高スプロケット比は3.18(F70T-R22T)です。
またベルトですが2023年1月26日現在、公式サイト上のCDXでは私が企画時(2021年12月)と比較してかなりの歯数がラインナップされてますが、後述するCarbon Drive Calculatorのエクセルには反映されていないためエクセルにない歯数のベルトを使うのであれば手計算になると思います。
20インチ406でスプロケット比を過去3種(2.29-2.86-3.18)の組み合わせで試した結果、個人的に感じた小径車で街乗りやちょっと遠出するくらいの使い方に最適なスプロケット比です。
- 20インチ451: F63T-R22T(2.86)
- 20インチ406: F63T-R22T(2.86) or F70T-R22T(3.18)
- 18インチ355: F70T-R22T(3.18)
- 16インチ349: F70T-R22T(3.18)※相当ローギア
Gates Carbon DriveとALFINEの組み合わせで走行性能を重視するのであればギア比的に多分18インチまでがギリギリ走れるかと思います。(16・14・12インチはローギア過ぎて厳しいと予想)
ちなみに私は20インチ406でALFINEを使う場合のGates Carbon Driveの最大スプロケット比、F70T-R22T(3.18)にしてます。
フレーム、ALFINEともにO.L.Dは135mmです。なおALFINEの車軸はBC 3/8”(φ9.525mm・ピッチ26山/inch)、中空ですが穴はφ3.5mmですので注意が必要です。
Gates Carbon Drive – Product Guideを熟読
次にGates Carbon DriveのProduct Guideを熟読します。
・Gates Carbon Drive – Product Guide(EN)
まずここでフロント・リアともに種類が豊富なハイパフォーマンスモデルである『CDX』で進めていきます。
Product Guideの17ページで各内装変速機メーカーに対応したリアスプロケットの品番、歯数を確認できます。なお※、※※、†などの注釈もしっかり把握しておきます。
次にTechnical Manuals and Brochuresを熟読します。
・Gates Carbon Drive – Technical Manuals and Brochures
Shimano ALFINE関連は58ページにあります。ALFINE 11(SG-S700)に対応するリアスプロケット品番はXMN、 XSE / XMN-U、XSE-Uとなります。
ちなみにShimanoのRスプロケットに併記してあるSURFIT 3-Lobeとはこの独特なマウント形状と思われます。
なお発売中止になったSRAMの内装変速機もこのタイプのスプロケットのようです。
ただCDXのリアスプロケットページを見ると基本XMNとXMN-Uしか見当たりません。なおXMNとXMN-Uの違いはベルトラインの寸法です。XMNは43.7mm、XMN-Uは45.5mmとなります。
XMN-Dは電動シフトのDi2用でベルトラインが41.7mmとXMN比-2mmも違いますので、BBやクランク含め変わってきますので注意します。
要するにXMN(43.7mm)をベースにUが+1.8mm、Dが-2mmとなるということです。
このどちらかにするのですが、今回はベースであるXMNとしベルトライン43.7mmとなります。
なおクランクのFスプロケットの取付寸法次第ではXMN-UやDに変更する覚悟でいきます。
リアセンター(BBセンター 〜 後輪車軸センターまでの寸法)を採寸
メーカーが公開しているフレーム図面があればすぐわかるのですが、SAVANEは車体の外寸と折りたたんだ時の外寸しか公開していないため実測します。
もしストレートドロップエンドでベルトドライブ化する場合、この寸法が一番重要です。
実は当初斜めに測ってしまって実寸より5mm長い375mm(重要:組み付けて判明しましたが実は370mmでした)で算出してしまいました。
これが後でいろいろ勉強になったのですが、余計にコストが掛かったことは言うまでもありません(=_=)
Carbon Drive Calculatorで組み合わせを試す
Gates Carbon DriveのサイトよりCarbon Drive Calculator(エクセル版)をダウンロードします。
・Gates Carbon Drive – Carbon Drive Calculator
なお製品ごとにタブで分かれているので『CDX』を選択します。
左上の青ベタ部『Input』の3箇所を組み合わせます。
- Choose Front Sprocket (Fスプロケットの歯数を選択)
- Choose Rear Sprocket (Rスプロケットの歯数を選択)
- Choose Belt Length (ベルトの長さを選択)
前後スプロケットを選んでベルトの長さを指定していくとCenter Distance(リアセンター:BBセンターから後輪車軸までの寸法)が導き出されるのでご自身の自転車の寸法と合うかということです。
ここで先ほどの推奨ギア比(1.8〜2.0)、リアセンター(BBセンターから後輪車軸センターまでの寸法(370mm)です。
ただ元々16インチ小径折りたたみ自転車ですので概ねベルトの長さは真ん中2段目表のCDX – CenterTrack Belts(黒/黒青)の中から最小歯数の108に目星を付けます。
なおベルトの色は赤もありますが、ベルトの歯数が6種しかありません。(黒/黒青は18種)
Inputを選択していき、①(Center Distance)がリアセンター(BBセンターから後輪車軸センターの寸法)、②がスプロケット比。スプロケットとベルトの組み合わせで導き出された①の寸法がご自身の自転車に合うか。
合わなければ前後のスプロケット歯数やベルトの長さを変えて合わせていきます。
※追記
後になって気が付くのですが測定ミスにより実際のリアセンター(BBセンターから後輪車軸センターまでの寸法)が370mmでしたので、上記組み合わせの場合Center Distanceが372.9mmと実際より2.9mm、およそ3mm長いことになるのでベルトにテンションが掛かりません。
なおこれについては以下リンク『ストレートドロップエンドのベルトドライブ化』を熟読ください。
※20インチ406で街乗り・少し郊外に出たいなどの場合はF63T-R22T(2.86)が個人的に最適なギア比だと思います。現在はF70T-R22T(3.18)の最大比に変更。
後編に続く
データ及び画像引用